おばけ食堂


猫は逃げる

隘路に笑う

影を行く

皐月晴れ

気もそぞろ

それよか行こう

鈴の音と

君が誘う


だ だだ だだ

誰もいない

回廊の路地

あ はは まだ

お子様には

早いぜレィディ


ほら手を叩け!

おばけは誰

君は招かれた

どうだっけ?

お酒飲まれ

風任せ

馬鹿だねあっかんべー

茜の窓

シケた品書きを

よく食んで

舌で撫ぜる

衣と虚


ほらお勘定、毎度

お出口は猫に訊いて


猫は消える

街路に迷う

夜の風

風鈴の音

千鳥足

浮いてる心地

看板の目

こっち向いて


わ わわ わわ

私どこ

ここは誰

あ れれ どれ

アテもなく

帰ろよベイビー


ほらほら踊れ!

ここで眠れ

鬼火がトモダチ

哀れ

いずれ君も

仲間入り

猫の声がして

邪魔をせんで

引かれる後ろ髪

こっち来て

そんな声で

導かれ


ほらがらんどう、迷子

尾を引いた煙草の白

インゲン

1996年生まれ。作詞家を志してからというもの、架空の歌詞を書いています。

歌のない歌詞