Shoot the moon
焦げた匂いがたつ
薄明の河川敷
君は涙ながらに
宙へ銃口を
向けた
なりたい自分ってさあ
どんなだったっけ
大人になるにつれては
不可能を知りすぎた
夢中で努力をしてまで
なるものを失った君に
与えられた最後の武器
それを覚悟と呼ぼう
硝煙と砂埃を背に
逃げ遅れた君は立ち上る
君を見失った星に
さよならを告げてやれ
淡く光る白昼月に
震える照準が合う
いつか誰かがきっと
救ってくれると信じて
いたずらに過ごした
変化は怖いもんだ
変わらない明日より
未確定の今日を見に行こう
大丈夫君は弱いんじゃない
世界に騙されただけ
白む青と濃紺を背に
弱い残火(のこりび)が風に揺れる
言葉を失った世界に
さよならを告げてやれ
淡く光る白昼月へ
引金に指を掛ける
誰もが不可能と笑った
君も最後に笑っていた
これからどうなるのかなんて
知る人などいなかった
淡く光る白昼月を
この宙ごと撃ち落とせ
焦げた匂いがたつ
薄明の河川敷
君は涙ながらに
宙へ引き金を
引いた
0コメント