Shoot the moon

焦げた匂いがたつ

薄明の河川敷

君は涙ながらに

宙へ銃口を

向けた


なりたい自分ってさあ

どんなだったっけ

大人になるにつれては

不可能を知りすぎた


夢中で努力をしてまで

なるものを失った君に

与えられた最後の武器

それを覚悟と呼ぼう


硝煙と砂埃を背に

逃げ遅れた君は立ち上る

君を見失った星に

さよならを告げてやれ

淡く光る白昼月に

震える照準が合う


いつか誰かがきっと

救ってくれると信じて

いたずらに過ごした

変化は怖いもんだ


変わらない明日より

未確定の今日を見に行こう

大丈夫君は弱いんじゃない

世界に騙されただけ


白む青と濃紺を背に

弱い残火(のこりび)が風に揺れる

言葉を失った世界に

さよならを告げてやれ

淡く光る白昼月へ

引金に指を掛ける


誰もが不可能と笑った

君も最後に笑っていた

これからどうなるのかなんて

知る人などいなかった

淡く光る白昼月を

この宙ごと撃ち落とせ


焦げた匂いがたつ

薄明の河川敷

君は涙ながらに

宙へ引き金を

引いた

インゲン

1996年生まれ。作詞家を志してからというもの、架空の歌詞を書いています。

歌のない歌詞