雑魚
あなたが言った
"ただいま"と
菜箸を手に
出迎えた
鍋の中では
もやしが踊った
あなたの足で
床が軋んだ
茹だる夏の夜
タンクトップで
茶碗片手に
テレビを見た
16インチの
向こう側で
巻き起こった
笑いの渦に
胸が痛んだ
伝説になろう
僕らでさ
保証はないけど
約束しよう
誰も解ってくれずとも
六畳間だけが
世界だった
口にせずとも
味のわかる
カップ麺を
口へ運ぶ
それだけで
満たされていた
失うものも
もうなかった
もし本当に
神様がいて
僕のことを
見てるなら
欲しいものなら
自分でつかむ
あいつだけは
奪わないで
不安はいつも
ついてきて
僕らのそばに
あるけれど
死ぬよりは怖くないさ
夜明けまで
夢を語ろう
伝説になろう
僕らでさ
保証はないけど
約束しよう
誰も解ってくれずとも
六畳間だけが
世界だった
何が起こるか
分からない
明日だから
期待もする
最悪な日も
あなたが言った
"ただいま"で
すべて解けて
希望になる
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