スズラン

恋に落ちる夢を見た

どこにもない架空の恋だ

二度と会うことはないだろうね

どうか幸せで


靄がかったデートコースで

あなたが笑ってた

なんて言ってたっけ

どんな顔だっけ

名前はなんだっけ

今はもう何も知らない


僕の声がもし次元の隙間から

あなたに届いたとしら

僕のことは 忘れていいから

どうか幸せな恋をして


恋に落ちる夢を見た

行き場のない幻の恋

日々のノイズで上書きされては

あなたが消えていく


こっちの世界では

うまく恋ができない僕のこと

笑ってくれた

認めてくれた

愛してくれた

胸の痛みだけが証拠


雨を受けても尚強く

咲くスズラン が

あなたに見えてしまって

愛してしまってごめんなさいと

何度も唱えている


どうかそちらでは幸せで

怪我と病気にをつけて

僕は誰にも見つからないよう

格好悪く生きています

烏の鳴くこの街

うだつの上がらぬ日々

けたましく鳴るサイレン

その真ん中に 花を添えてくれた

ありがとう 白い人

インゲン

1996年生まれ。作詞家を志してからというもの、架空の歌詞を書いています。

歌のない歌詞