冗談

「驚かないで

聞いて」と言う

その頬がにやけていた

ゴミ捨ての日

忘れていたくせに


心はいつも

あなたを追う

いつからかおかしかった

パレードの音

に隠れて

終わらないで

終わらないで


駆け出す

子供靴を

ただ眺めて


クラクラするくらいの

奇跡に守られていて

イランイラン香る雨音

昨日まで言えなかった冗談


その頬は

夢を見てる

よじる腰のふくらみ

鈴虫が鳴く

その夜は

終わらないで

終わらないで


汗っかき

素直なまま

大人になって


清々しいくらいの

普通が手放せなくて

嫌いなメロン丸ごと

飲み込めてしまいそうな愛しさ


ゴーカート

膝を折って

叫ぶような

あの日の続きを


クラクラするくらいの

奇跡に守られていて

イランイラン香る雨音

昨日まで言えなかった


今知らない世界の

敷居をまたぐだけで

クラクラしている

期待した華やぎを

捕まえる虫籠を開いた

昨日まで言えなかった冗談

インゲン

1996年生まれ。作詞家を志してからというもの、架空の歌詞を書いています。

歌のない歌詞