どんな夜より

「一歩ずつ進めばいい」

その一歩が次第に

重たくなり始めて

立ち尽くしてしまうの


目を閉じれば聞こえる

君の懐かしい声

風の音に混じって

エールを叫んでいる


12時 消える魔法も無い

失うものは無い

小さなこの体ひとつで

助走つけ

さあ


飛ぼう 飛ぼう 飛ぼう

水面弾いて重力の外へ

行こう 行こう 行こう

夜を映したビルよりも高く

6色の光

あとひとつは君だよ


「僕らしく生きていこう」

テレビから漏れる声

まさぐる心の端

フィクションのようにいたい


宙に手を伸ばしたら

君がそれを掴んで

連れてってよいつかの

4階建ての屋上


12時 止まる時計の針

邪魔するものは無い

眩いあの光目指して

助走つけ

さあ


飛ぼう 飛ぼう 飛ぼう

手すり飛び越えこの風に乗って

行こう 行こう 行こう

過去も未来も 届かない場所へ

海の様な光

底から手を振ってよ


どんなおとぎ話でも

君と会えないのなら

私はこの世界が好きだよ

笑って


さあ

飛ぼう 飛ぼう 飛ぼう

涼しい風が導く彼方へ

行こう 行こう 行こう

夢も魔法も描けない明日へ

飛ぼう 飛ぼう 飛ぼう

水面弾いて重力の外へ

行こう 行こう 行こう

夜を映したビルよりも高く

6色の光

あとひとつは君だよ


インゲン

1996年生まれ。作詞家を志してからというもの、架空の歌詞を書いています。

歌のない歌詞