嬉しさ

いつか窓に映った人が

恐ろしい目をしていた

このままではいけないと

なんとか笑った


貴方はいま

私の頬を撫でて

怖い顔だよって

笑ってみせる


もがいて水を飲んで

ああ駄目だって思った日

どうして私は諦めなかったの

きっと貴方に逢える日が

来るとどこかで分かっていたから

だから、今嬉しさに

泣いているんです


いつか布団を深く被って

明日が来るのを怖がった

震える指をにぎって

なんとか笑った


貴方はいま

ベンチの端にかけて

今日もいい日だねって

笑ってくれる

どこで間違えたんだろう

更ける夜に思った日

どうして私を壊さなかったの

遠く貴方の声が届いて

固く抱きしめてくれたから

だから、今その声が

愛おしいんです


陽だまりの方で

手を振ってる

あなたに手を伸ばした

消えないで

明るい方へ

今、踏み出す


きっと貴方に逢える日が来ると

どこかで分かっていたから

だから、今嬉しさに

泣いているんです

嬉しさに

泣いているんです

インゲン

1996年生まれ。作詞家を志してからというもの、架空の歌詞を書いています。

歌のない歌詞