鏡
あなたが嫌いで仕方なくて
引っ掻いて叫んだ年の暮れ
それが私の全てだった
行き先を無くした
どうしたほらこの目を見て
文句の一つでも宣え
目に映り返る私は
酷く醜かった
ねえこの震える手を今取ってくれ
鐘が鳴るまでのダンスで
嫌に胸ぐらのよれた長袖
笑い合ってはみないか
ごめんね
太陽と月
花と海
あなたは私
奥底に
焦げ付いた正体
どうしようもない
逃げ切れない
いっそ美しい
ねえ血で汚れた爪同士で
抱きしめ合ってみたい
もう不幸など願わない一方で
幸せすらご自由にして
落ち葉が可哀想なものか
おいでひとひら
どうしてねえあなた一人で
こんなに頭を支配して
降り頻るシャワーの最中
私は死にたかった
ねえ誰かメダルをこの首にかけてくれ
それを許しの媒介にして
手繰るように生きさせて
晴れ間を知りたいんだ
ごめんね
愛と凶器
風と土
あなたは私
掻き毟り
消してしまいたい
歪な形
それを掬い
今袖を通し
ほら憎んで止まない身体のまま
あなたに伝えてみたい
大好き
どうして
またね
あのね
大好き
どうして
またね
あのね
ごめんね
太陽と月
花と海
あなたは私
奥底に
焦げ付いた正体
どうしようもない
逃げ切れない
いっそ美しい
ねえ血で汚れた爪同士で
抱きしめ合ってみたい
死ぬほど怖いと
胸が叫んでいる
この襖の向こう
わたしが立っている
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