悪魔
背負ったリュックを少し下ろして
座った道の途中
確かに心臓は動いてる
旅はまだ続く
掴んだ砂の温かさも
青空行く鳥の声も
今はわかるよ
柔い空気を吸う
棄てるにはあまりに惜しい
温もりを知った
それでも進めと
囁く悪魔が
笑っていたのは
鏡の向こう
眠った私を覚ます雨粒
忘れた進む方角
このまま泥に溶けるように
横たわっていたい
なぞった空の果てしなさも
肺に満ちるぺトリコールも
感じているよ
ヒトになれた気がした
さよならをとても言えない
安らぎを知った
それでも進めと
囁く悪魔は
私とおんなじ
顔をしていた
ああ痛みよ
恐怖へと変わるな
歩みを止めてしまうから
ああ悪魔よ
優しく微笑むな
抗えないと気づくから
棄てるにはあまりに惜しい
温もりを知った
それでも進めと
囁く悪魔が
笑っていたのは
鏡の向こう
ああ
下ろしたリュックを背負い直して
いまだに震える足
確かに心臓は動いてる
旅はまだ続く
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