普通
エアコンの温度を彷徨うような
普通に憧れ
どうしようもない特別だけが
私を飼ってる
半額のシールを探すような夕暮れ
あなたは知ってる?
生まれ間違ったわけじゃない
ただあなたが眩しい
蛇のとぐろで息をするように守られたって
それが愛だとわかるには
子ども過ぎています
日の当たる春なんでもない喧騒の最中へ
踊るように戦うあなたの背中を夢見て
声を上げればそれが歌になるような奇跡を
教えて、教えて、教えて
普通の運命
休日の昼下がり目を擦る
ときの怠惰と
何も与えられず生きる軽さ
だけ探してる
手放せずに握った幸福の
毒が回る
その手を握るために
下ろした荷物と過去
御伽噺のように羽は生えないからこの足で
旅を楽しむ権利だけ
大切に背負って
傘も差さずに雨を走る人生のイレギュラー
その向こうで笑うあなたとただのくしゃみを
ピアノが弾けないあなたが音楽になる奇跡を
教えて、教えて、教えて
普通の雷鳴
裸足で駆け出す
さらば血小板
もう私は
普通になります
齧るハッピーターン
ちゃちな冒険譚
もう私は
普通に最高です
日の当たる春なんでもない喧騒の最中へ
踊るように戦うあなたの背中を夢見て
声を上げればそれが歌になるような奇跡を
教えて、教えて、教えて
ねえ教えて
知らない鳥の鳴き声の名前とともに
あなたの目に映る普通のすべて
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