夏に痺れ

茹だる空気

深緑の街路樹

夏だねきっと

君の好きな季節だ


汗をかいて

自販機探して

買ったポカリの

塩っ気にむせて


何があるって

訳じゃなくて

オートマチックに

胸がざわめく季節だ


この季節を越えるたびに

少し大きくなる自分が

またその入口に立ってる

ヨレヨレのシャツ脱ぎ捨て

次のシャツへと手をかけて

飛び出すんだ

期待にいま

痺れる


揺らぐ熱気

陽炎とタイヤ跡

夏だねきっと

日々を彩る季節だ


小銭握って

屋台を回って

55 点の

焼きそば食って


平均以下の

毎日だって

オートマチックに

弾けてしまう季節だ


この季節に恋をしたんだ

透明な道を行くように

何かに導かれ駆けていく

汗ばんだパンツを替えて

かかとを引っ掛けて転んで

悶えるんだ

青春にいま

痺れる


波の音 テンプレート

蝉の声 その向こうへ

日焼け止め サボって行こうぜ

クーラーの風 届かぬ方へ


この季節を越えるたびに

少し大きくなる自分が

またその入口に立ってる

ヨレヨレのシャツ脱ぎ捨て

次のシャツへと手をかけて

飛び出すんだ

駆けていくんだ

君となら

予感にいま

痺れる