ディープグリーン
飼っていた金魚が
腹を上に浮かんでいた
涙一つ流せない
自分に泣いていた
おばあちゃんに貰った
千円のお小遣い
その日のうちに
使い切っていた
その延長線上
まだ 息をする
ネクタイを少し緩める
夕日が照らす
側溝の泥
綺麗に見えて仕方がなくて
それでもまだ世界は僕を諦めてくれない
底なしの愛が痛いでも離したくもない
笑っている権利が 生きる 限りあるなら
せめてあなたと
分かち合わせて ねえ お願い
あの日言われた言葉
ムカつくからと 根に持って
冗談のつもりで言った
ひどい言葉 忘れて
あの時無性に 欲しくて買った サボテンの鉢
それきり飽きてしまって
水もやらず枯らして
もう最低最悪
でも息をする
許されるはずもないのに
玄関に響く「おかえり」だけで
救われてしまう
神様どうして
あなたと逢えた ことだけ
もしも夢だとしたら
泣くこともせずに
恵みだと言わせて
この体にまだ
希望 が少し残ってるなら
せめてあなたと分かち合わせて ねえ お願い
償いの日々 そう思っていた
それでも笑うことを許された
とめどない日常
その真ん中に
温もりを置いても
良いですか
それでも
まだ世界は僕を諦めてくれない
底なしの愛が痛いでも離したくもない
笑っている
権利が生きる限りあるなら
せめてあなたと
分かち合わせて ねえ お願い
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